文旦というのは、上品な甘さとさわやかな酸味が特徴の黄色い柑橘類。芳醇な香りとぷりっとはじけるジューシーな果肉がやみつきになる果物です。一度食べたらついつい手が出てしまう、独特のおいしさは高知県民自慢の一品。剪定を工夫し、樹の状態をよくすることで、 多くのメリットが。
「千の果樹園」の文旦は、毎年リピートされる方も多い人気の商品。そのおいしさの秘密は育て方にありました。「千の果樹園」では、樹を手の届く高さに剪定することで隅々までしっかり手をかけられる状態を作っています。樹の高さが低いと陽当たりもよくなり、高知自慢の太陽をおもいっきり浴びて育つことができます。
また風通しがよくなるよう、入り組んだ枝を剪定。空気が通ると病気もつきにくく、農薬も最低限の量で樹全体に効果が得られると言います。管理が行き届いて健康な樹が育ち、十分な日光を浴びることができれば、文旦の果実が充実しておいしい文旦ができるのです。
受粉からもこだわり。小夏の花粉を使います。「千の果樹園」では、おいしい文旦をつくるために受粉からこだわっています。受粉に使われるのが、同じ農園で丁寧に育てた宿毛小夏の花粉。受粉がうまくいくとタネが多く入り、一粒一粒の実がしっかりとしてきます。
そうすることで果汁が多く甘い味になり、皮も薄くなって中の果実部分が大きくできあがるのです。温暖な宿毛だからできること。熟すのを待って、年を越してから収穫します。家族で作っているので、12月〜1月下旬にかけての収穫時期は大忙しになります。
みんなで力を合わせて楽しく、心を込めて箱詰めします。収穫はしっかり熟れてから。完熟したら出荷します。普通、柑橘類は冬の寒さに耐えることができないので冬を越す前の12月頃には収穫してしまうことが多いもの。霜が降りると実がスカスカになっておいしくなくなってしまうからです。
しかし、気候がとても温暖な宿毛では、年を越してからの収穫が可能。樹の上でしっかり熟れるのを待つことができるので、甘くておいしい文旦をお届けできるのです。こだわって育てたおいしい文旦、 ぜひ食べてみてください。千の果樹園のみなさんはおだやかでやさしい方たち。
ゆっくりとていねいに文旦のこだわりを教えてくれました。文旦もこうやってやさしく、心を込めて接しているから、おいしい実がなるんだろうなと感じます。取材をする中で、ぜひたくさんの方に食べてほしいと思いました。