宿毛で作られる「てんぷら」 宿毛名物「てんぷら」 豊かな宿毛湾では昔から、大きな魚も、小さな魚も、たくさん獲れてきました。打瀬で獲れるアジやカマスの小さな魚は、食べるのに手間はかかるが、味が良いのです。そんな魚を丸ごとすり身にして、揚げたり蒸したりしたのが「てんぷら」「かまぼこ」です。
大原かまぼこ店には、三つの「てんぷら」があります。まるで兄弟のようにそれぞれの個性があって、どれも、そのままで食べるのが一番だと 店主は言いますが、美味さを引き出す温度がそれぞれ違うのだそうです。スタンダードの「てんぷら」は、冷えたままでも、少し炙ってかぶりついても、 宿毛湾のめぐみの味をダイレクトに感じていただけます。
白い「てんぷら」は上天(じょうてん)とも呼ばれ、常温で召し上がっていただくと、上品で繊細な味が 口いっぱいに広がります。そしてカレー味の「てんぷら」は、ぜひ香りも楽しんでください。レンジなどで 少し温めると、カレーの香ばしさとともに玉ねぎの甘みに包まれます。
詰め合わせでは、たくさんの「てんぷら」をお送りします。おかずとしてだけではなく、おやつの楽しみに取り寄せている方もいらっしゃいます。「てんぷら」になる宿毛湾の小さな魚 材料となる魚たち 「てんぷら」の材料になる魚は、主にアジです。
朝早くに、たくさんのアジを仕入れ、その日に獲れた小魚を合わせていきます。いつも同じ味になるように「てんぷら」を作っていくのですが、 その日に仕入れた魚により、できあがった「てんぷら」には、 それぞれの味が出るのだといいます。
ハリメという魚は、小さくて手間がかかるのですが、 それが入った日の「てんぷら」は、それは美味いと店主は目を細めます。創業90年!大原かまぼこ店の三代目 三代目店主の宗義さん 大原かまぼこ店は、創業90年。いつでも海と漁港が目の前にあり、 そこで「てんぷら」と「かまぼこ」を作り続けてきました。
現在の店主は三代目の宗義さん。この道40年の大ベテラン。なんとなく「店は自分が継ぐもんや」と思いながら、大人になったとおっしゃいます。変わっていったもの、変わらずにあるもの 大原かまぼこ店の工場 40年ほど前、宿毛には十数件のかまぼこを作る店がありました。
あるものは合併して大きな「かまぼこ屋」になり、小さな店は数件となってしまいした。大原かまぼこ店も、いちどは合併に参加したのですが、それでも自分の味にこだわり、 自分の店を続けることにしたのです。40年ほど前に建てた工場。
それなのに、今でも昔のまま、母屋で行う作業があります。昔ながらの母屋は、夏でもそれほど気温が上がらないため、 鮮度が重要となる魚の頭落としと内蔵の取り除きを、ここで行っているのです。「てんぷら」作りへのこだわり 大きな石臼でなめらかに 下ごしらえされた魚は、工場に運ばれ、そこでミキサーで細かくされたあと、石臼で すりつぶし、塩や氷水を入れながら、なめらかになるまで練り上げられていきます。
電動の機械に取り付けられているのは、大きな石臼。そこには、石臼ならではの、温かな舌触りへのこだわりがあります。また、白とカレーの「てんぷら」は、手取りで丸め、手揚げで揚げておるのじゃと、 店主と奥さまは「てんぷら」作りのことを、まるで子どもの扱いのように語ります。
宿毛ならではの伝統の味 「てんぷら」3種類と、「かまぼこ」の詰め合わせです 大原かまぼこ店は、創業から90年。毎日、毎日、同じように「てんぷら」と「かまぼこ」を作り続けてきました。昔のことはよう知らんと言いつつ、店主は思い出を噛みしめるように語ります。
カレー味の「てんぷら」といえば、なにか新しいもののような感じがしますが、 確か、40年前の工場への引っ越しのときに、母屋からカレー粉の缶を運んだ記憶が あるのだそうです。カレー味の「てんぷら」は、その頃から行商の人たちによってリヤカーに積まれ、 家庭の食卓に届けられていた、宿毛ならではの伝統の味なのです。
穏やかな宿毛湾からすくい上げられる深い味わいを、ぜひ感じていただきたいと思います。