店の裏手すぐに川があるので、水音が聞こえます。風が吹けば木々がゆれる音がするし、いつでも自然を感じることができます。夏にはゲンジボタルが飛び交い、窓ガラスにとまって光っていることもあります。夜7時から8時くらいで生ぬるいような暑さの日にはたくさん見られますよ。」 今、雪に包まれた静寂もしんとして心地が良いですが、ホタルが舞い飛ぶ幻想的な夏の夜にもぜひ訪れてみたいです。
「シカやリス、タヌキも通りすがります。食事をしているところを、窓の外からシカにのぞきこまれたお客様もいらっしゃいました。」 自然に囲まれて心豊かなひとときを提供できる絶好の立地ですね。そんな穏やかな環境で提供されているのは、穏やかじゃない辛みのある本格カレーですね。
「洋食屋からスタートして、カレー歴30年以上になります。ドミソースとカレーは創業以来作り続けている看板メニューです。現在はわっぱめし屋ですが、インドカレーでも、欧風カレーでもない、薬膳カレーがやみつきになると繰り返しご来店いただいています。」 もともと薬膳に関心がおありだったのでしょうか? 「【スパイスを食べるカレー】はおもしろいなというところから発想しました。
スパイスは漢方と同じだと気づいてから、薬膳カレーとしての方向性が決まりました。そこからレシピの確立まで3年かかりました。スパイスの中には苦みを出すものがあって解決に苦労しました。実はスパイスを入れる順番でも仕上がりに差が出てしまいます。
スパイスの量と調理の順番を何度も試行錯誤しました。」 順番でも味が変わってしまうとはうっかり間違えられないですね。「まず、クミンとたまねぎを飴色になるまで炒める。次はコリアンダーを入れて3時間煮込む。その次のスパイスは翌日入れるのです。
ブイヨンを入れたらあとは決まった順番通りにスパイスを入れて、味付けして、オレンジジュースとトマトを入れて煮詰めていくんです。それから…」 ヒミツのレシピの一部を惜しげもなく披露していただいてよいのですか? 「このくらいでは同じ味にたどり着かないから大丈夫です! スパイスカレーは作りたてを食べるのが常識ですが、うちはこんなふうに結構煮込むのです。
豚骨と鶏ガラの出汁で仕込んだ、辛いだけじゃなくてちゃんとうまみもあるカレーはおかげさまで、くせになる、ほかのどこにもないカレーと好評をいただいています。」 辛さの奥に深い旨味があって、辛くて休み休み、それでもまた食べたくなってしまいます。
「目指すのは、食べながら闘志がわいてくるカレーです。辛いけどうまい、うまいけど辛い。辛さの元になるスパイスも4種類入っています。異なるタイプの辛みを組み合わせて辛さの設計をしています。普段カレーはあまり食べないという方がどういうわけか気に入ってくださることも多いです。
みんながそれなりに好きな味を作ろうとはしていなくて、たとえ嫌われることがあったとしても、大好きだ!と言われるものを作りたいと思っているので、うちのカレーを目当てにご来店いただけるのはとても嬉しいです。」 カレー目当てのお客様は相当数いらっしゃるのですね。
「一番人気は【とんかつとちょっとのカレー】です。とんかつにも仕掛けがいっぱいなので、両方を楽しんでいただけます。カレーもまだまだ改良したくて、日々研究です。さらに進化したカレーをご提供できるように、これまでのファンの方にも驚きと意外性を感じていただけるようなものを作り続けていきたいと思います。」 万人受けするカレーとは一線を画すこだわりが凝縮された薬膳カレーには、何事にも驚きと喜びを演出するご主人のサービス精神も込められていました。
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